介護業界ではAI活用が積極的に検討されていますが、本当にメリットが大きいのかが疑問視されている場合もあります。AI活用は業務や作業の効率化や自動化、個々の仕事の正確性の向上といった点を目指して進められているのが一般的です。このような観点では確かに介護業界で問題になっている過度な業務負担を軽減するのにつながるメリットがあるでしょう。介護ミスによって利用者に不利益を被らせてしまうリスクも低減されると期待されます。しかし、介護業界でAI活用をしていけばサービスが向上するとは安直にいうことはできません。デメリットとして利用者や家族の心のケアが難しくなるという問題があるからです。
介護サービスでは身体介護だけが行われているわけではありません。介護の基本は高齢者の今後の生活をより良いものにすることです。AI活用による対応は人によるものではないのが問題になってしまいます。多くの人が持っているイメージとして、人によるサービスは温かいけれど、機械によるサービスは冷たいというものがあります。もともと人がおこなっていたサービスをAIに置き換えてしまうと、心のこもったサービスではないと考えられてしまうリスクが高いのです。介護を受けているときには心の病を患ってしまう人も多いため、心のケアが難しくなるのは大きなデメリットになります。近年では利用者だけでなく家族の心のケアもすることが求められるようになっている点も考慮するとAI活用のデメリットの克服も考えていかなければならないのです。
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